じゃがいもの品種紹介:インカのめざめ

今回はじゃがいもの品種のなかでも近年人気の「インカのめざめ」について解説します。

インカのめざめ

インカのめざめはじゃがいもの原産地・南アメリカ大陸のアンデス地方で育てられている品種(ソラナムフレファ種)から、日本での栽培向けに交配を進めて作られました。農家としてはやや育てにくく作付けシェアはじゃがいも全体の0.3%(2019年)に留まるものの、これまでのじゃがいもとは大きく異なる特徴から消費者からの人気が高い品種です。

そのためインカのめざめ以外にも「インカルージュ」「インカのひとみ」など、さまざまな品種改良が加えられた「インカ」シリーズが開発・栽培されています。

 

見た目におけるインカのめざめの特徴はその断面。鮮やかな黄色い断面はほかのじゃがいもと比べても独特で、おいしさを引き立てます。また表面の凹凸は少なく、新じゃがなら皮をむかずに調理するのもおすすめ。

味の面でも特徴的なのがインカのめざめの特徴。アンデス地方のじゃがいもは男爵やメークインといった品種とは異なり、栗やさつまいものような甘みが特徴です。また煮崩れや加熱による色の変化も少ないため、鉄板焼きやスイートポテトの材料などに向いています。ただ男爵などと比べると小粒なので、サラダなどに形を残したまま加えるのも手でしょう。

 

ただし病害虫への抵抗性はないため、同じ土で連続で育てることは避けてください。また休眠期間が短く発芽しやすいのため、表面の葉が枯れてきたらすぐに掘り出すこと、5度前後のなるべく涼しい部屋や冷蔵庫の野菜室で保管することが大切です。

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